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2020.09.03

コロナによる不動産業界各界への影響と対策

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緊急事態宣言解除とともに、日常が戻りつつあった矢先。2020年8月現在、新型コロナウィルス感染者はまたも増加傾向にあります。

2020年冒頭から始まったコロナウィルスの蔓延は、不動産業界にも大きく影響しています。

いまだ収束が見えない猛威に対し、住団連(一般社団法人住宅生産団体連合会)は7月、「次世代住宅ポイントに代わる新制度創設」などを含めた「経済対策要望」を発表しました。

コロナによる不動産各業界への影響

当サイトでは、これまで新型コロナウィルス蔓延による中古不動産流通への影響を重点的にお伝えしてきました。

“アフターコロナ”の不動産の買い時はいつになる?

緊急事態宣言が解除!アフターコロナに不動産流通はどうなるか

 

しかし、コロナによる影響は、中古住宅流通だけでなく、注文住宅・新築マンション・建売住宅・リフォームなど、住宅業界全体に広がっています。

新築マンションの売れ行きは中古マンション以上に悪化の見通し

緊急事態宣言解除後には、成約数・成約価格ともに回復傾向にある中古住宅市場に対し、新築マンションの売れ行きは依然として低調です。

2020年新築マンション販売は致命的?中古マンションは改善の見込み

2020年の首都圏新築マンションの販売数は、バブル直後以来の3万戸割れが確実視されている状況です。

注文住宅市場も大幅需要減

(出典:住宅生産団体連合会

ハウスメーカーや工務店などの注文住宅業界でも、新型コロナウィルス蔓延による影響は顕著に出ています。

新築マンションの販売にも同じことが言えますが、新築住宅販売では、モデルルームや住宅展示場からの集客がかかせません。緊急事態宣言下では、モデルルーム・モデルハウスの多くが休業状態にありました。

新築住宅は、購入や建築会社の決定に時間をかける人が多いもの。緊急事態宣言下の集客数の大幅減とともに、いまだ人と人とが接触しづらい昨今の状況によって、建築業界では中長期的な着工数・販売数の落ち込みが予測されます

住宅資材・部品が納入しないという問題も

建築業界とともにリフォーム業界を困らせたのは、コロナ禍での住宅部品の納入遅延です。トイレやキッチンなど、中国で生産される商品を中心に納品が大幅に遅れた問題は、住宅業界で大きな問題となりました。

このことを受け、住宅資材の生産・供給体制を中国だけに頼らない体制に転換しようとする動きがあります。

住団連が要望している不動産業界における経済対策

新型コロナウィルス蔓延による住宅業界への影響は、2020年になってから徐々に顕著になっていき、緊急事態宣言下の4月、5月に一層深刻化しました。

2020年以前にも、昨年の消費税10%への引き上げによって新築着工数等は低迷が続いており、回復を待たずしての“コロナショック”でさらに落ち込んでしまったという経緯があります。

つまり、新築住宅業界を中心に、昨年から受注数の減少が継続しているということであり、このままでは住宅関連企業の倒産が相次ぐことも懸念されるのです。

住団連は、住宅業界の危機に際し、経済対策を政府に強く要望しています。以下、住団連発表の経済対策要望より、これから住宅取得を考える一般消費者への影響が大きいと見られる支援策について紹介します。

1.次世代住宅ポイントに代わる新制度の設立

消費税10%への引き上げに際し、住宅取得者の負担軽減のために設立されたのが「次世代住宅ポイント制度」です。しかし、この制度はすでに申請期間が終了しています。

そこで住団連は、次世代住宅ポイント制度に代わる「(仮称)新しい生活様式ポイント制度」の創設を求めています。

「新しい生活様式」というのは、ステイホームが一般的となったことによる住まいのニーズの変化によるものです。たとえば、テレワーク環境やセカンドハウス、住み心地の良い家(長期優良住宅や遮音性、防音性、省エネ性等が高い住まい)など、新しい生活に順応するための住まいです。

「(仮称)新しい生活様式ポイント制度」は、このような住宅整備に対する支援として、最大200万ポイント(200万円相当)を付与し、ポイントを住宅の取得やリフォームに使えるというもの。次世代住宅ポイントは、新築で最大35万ポイント、リフォームで最大60万ポイントでしたので、創設が決まれば消費者の大きな負担減となるでしょう。

2.住宅ローン減税の拡充

消費税10%引き上げに際して実施された、住宅ローン減税の3年間延長。こちらもすでに申請が終わっていますが、同等の拡充をコロナによる景気低迷が回復するまでの当分の間、再度、実施する要望を出しています。

消費税増税に伴う住宅ローン控除・すまい給付金の支援策

3.住宅取得資金等に係る贈与税非課税枠の拡大

高額な住宅の取得に際し、親や祖父母から資金を援助してもらう世帯は少なくないでしょう。しかし、親族からの資金影響においても、制限を超えてしまうと贈与税課税の対象になってしまいます。

親や祖父母など直系尊属からの住宅資金援助で、贈与税が課税されない上限額は以下の通りです。

(出典:国税庁

最大3,000万円までの非課税枠拡充は、2020年3月31日に終了。この枠を、低迷する景気が回復するまでの当分の期間、再度、3,000万円まで拡大する要望が出されています。

まとめ

本記事で紹介した対応策は、いまだ住団連による「要望」に留まります。

しかし、住団連副会長兼専務理事の小田広昭氏は、

「今回の要望で示した新ポイント制度やローン減税を組み合わせ、1世帯当たり300万円程度の支援がないと、コロナで激しく落ち込んだ消費マインドを高めることはできない。すでに要望に回っているが、議員の皆さまからは一定の理解を得られている」(引用:R.E.port

と話しており、早急な実施が求められている状況です。

今回紹介した3つの支援策は、中古住宅の取得やリフォームにも適用される見通しとなっています。中古・新築問わず、マイホームの購入を検討されている方においては、このような支援策の行方も注視しておくべきでしょう。

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監修役

不動産ライター 亀梨奈美

亀梨奈美

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに不動産記事を多数執筆。

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