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2020年新築マンション販売は致命的?中古マンションは改善の見込み

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2020年も半分が過ぎ、不動産業界でも上半期のマーケットウォッチが出始めています。

ご存じの通り、2019年末に中国で発生したと見られる新型コロナウィルスは、年明けから日本でも徐々に猛威を振るい始めました。3月には、全国で学校の休業があり、東京オリンピックの開催延期も決定。4月、5月、ほぼ緊急事態宣言下にあった日本の不動産市場は、かつてないほど失速しました。

では、2020年後半の不動産市場はどうなっていくのでしょうか?

2020年上半期の新築マションの売れ行きは?

不動産経済研究所(東京・新宿)が15日発表した1~6月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの発売戸数は前年同期比44.2%減の7497戸だった。1973年の調査開始後、上半期で初めて1万戸を割り込み過去最低になった。新型コロナウイルスの流行による営業自粛で、不動産会社が供給物件を絞り込んだ。(引用:2020/7/15日本経済新聞

不動産業界の中でも、大きなダメージを受けているのが新築マンション市場です。

緊急事態宣言下ではモデルルームの休止が相次ぎ、4月の首都圏新築マンション販売数は686戸(前年比51.7%減)、5月は393戸(前年比82.2%減)と大きく落ち込みました。緊急事態宣言が解除された6月は1,543戸と回復しましたが、それでも前年比32%減と失速を続けています。

上半期全体の供給数は、前年同期比44.2%減の7,497戸。上半期として初めて、1万戸を下回りました。2020年の首都圏新築マンション販売数は、バブル直後以来はじめて3万戸を割り込むのが確実視されています。

新築マンションはすぐに大幅な値下げができない

供給数が著しく減少している新築マンションですが、首都圏マンションの2020年上半期平均価格は6,668万円、前年同月比8.7%と上昇しているのです。また、近畿圏についても、成約価格、成約平米単価、いずれも前年同期比で4%以上、上昇しています。

不動産に限ったことではありませんが、需要が減れば価格は落ちていくのが1つのセオリーです。しかし、新築マンションはすぐに大幅な値下げができません

新築マンションは、分譲の数年前から販売計画がスタートします。土地を購入し、建築や人件費にかける予算を決め、それから着工します。分譲価格は、いわば「先行投資」した費用に利益を上乗せしなければならないため、売れ行きが悪いからといって簡単に値下げできるものではないんですね。

また「コロナ」によって、住まいにもとめられることは次のように変わり始めています。

  • テレワークがしやすい間取り・共用施設の需要増
  • 高価な新築マンションより中古マンション
  • 都内近郊エリアの需要増

すでに分譲されたマンションはもちろん、建設が始まったマンションも、建築プランを大きく変更したり、分譲価格を大幅に下げたり、今の需要に合わせて間取りや共用施設を変えることは容易ではありません。つまり、販売中・販売予定の新築マンションは、価格を含めて市場のニーズと合致しないことも考えらえるわけです。

【2020年6月】中古マンションは復調の兆し

中古マンションも、2020年4月~6月期のマーケット情報が公表されました。

(出典:東日本レインズ

成約件数については、前年同期比33.6%減と大幅減少ですが、価格は大差ありません。中古マンションも新築マンション同様、2020年の販売数は致命的なのか……と思いきや、2020年6月期のデーターをクローズアップしてみると「復調傾向にある」ということができそうです。

(出典:東日本レインズ

4月に一時期、前年同月比55%減ほどまでに落ち込んだ中古マンションの取引件数ですが、6月には前年同月比10%減ほどまでに回復。上記グラフが「首都圏」のもの、下記グラフが「近畿圏」のものですが、同様に4月からV字回復しており、近畿圏については6月の成約件数は前年同月を上回っています

(出典:近畿レインズ

中古マンションは「柔軟性」が高い

中古マンションは、新築マンションと比較して、市場のニーズに対応できる「柔軟性」が高いといえます。価格は売主の一存で決めることができますし、安い価格で変えた分、リフォームによって好きな間取りや設備に変えることも容易です。

とはいえ、2020年6月の中古マンションの成約平米単価を見てみると、首都圏では前年同月比+1.4%、近畿圏で-1.9%と、コロナ前の水準と大差ありません

今後、コロナショックによる不況が本格化してくれば、中古マンション価格も落ちていく可能性は否定できません。しかし2020年6月時点で、成約数・成約価格はコロナ前と比較しても大幅に落ち込んでおらず、上昇傾向にあるというのが現状です。

まとめ

2020年上半期は、新築、中古ともに成約数が大幅に落ちました。しかし緊急事態宣言解除をきっかけに、明暗が分かれる形となっています。中古マンションの取引件数・成約価格は、復調傾向にあります。ただコロナの収束期がまったく予測できない今、4月、5月のようにまた低迷期を迎えてしまう可能性も否定できません。

2020年上半期は、エリアによっても取引件数・成約価格の変動は異なりました。「相場価格が落ちている」「復調傾向にある」こういった見解の多くは、不動産市場全体を見たときのもの。あなたがこれから売ろうとする物件、買おうとする物件には当てはまらないことも考えられます。そのため、市況予測ばかりを見るのではなく、そのエリアの不動産担当者に直接相談する・見解を聞くということも非常に大切なことです。

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監修役

不動産ライター 亀梨奈美

亀梨奈美

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに不動産記事を多数執筆。

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