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不動産ノウハウ

2020.06.13

公正証書について解説します

公正証書という言葉は、聞いたことがあるでしょうか?改めてどういうものかを聞かれたとき、よくわからないという人も多いはずです。

普段は全く関係のないものですが、裁判や法的な手続きに関わることがあると、急に必要になることがあります。公正証書とは何か、解説していきます。

公正証書とは

公正証書というのは公文書の一種です。公証人法という法律があるのですが、その法律に従って作成されます。作成するのも誰でもいいわけではありません。法務大臣に任命を受けている、公証人という人が作成しなくてはいけません。

その目的はある一定の事項に関して国民が私的に法律紛争を起こすのを防ぐために、公証人が証明することにあります。それによって法律に関係することを明確にし、安定化させるのです。

一定の事項には、遺言や契約などが当てはまります。通常、契約書なら原本が2部作成されますが、公正証書の場合は1部しか作成されません。作成した原本は公証役場というところに保管されるので、紛失や第三者の手によって改ざんされることがありません。

原本が一部しかないので、印紙代が必要なケースでも1部の分しか必要ありません。また署名捺印についても1部にしか必要ありません。債権者には正本が交付され、債務者には謄本が交付されることになります。

なぜ、遺言や契約書などを公正証書にする必要があるのでしょうか?それは公文書である公正証書にはしっかりとした効力があるからです。その効力は大きく分けて3つあります。

公正証書の効力①:証明力

一つは、証明力です。公正証書を作成する公証人は、書面の内容に法律違反がないかをしっかりと確認します。さらに印鑑証明書などで作成当事者の身元もきちんと確認して、それから作成しています。

厳重なチェックのもとで作成されているので、その内容について裁判で争うことになっても、認められないということはまずないのです。また家庭裁判所で行われる検認手続きも、公正証書なら不要なのです。

公正証書の効力②:執行力

2つめの効力は、執行力です。信頼性が高いことから、強制執行について定められている場合にはすぐにでも申し立てを行うことができます。これ以外なら、まずは裁判所に訴訟を起こして勝訴してから初めて強制執行ができるのですが、その手順を省略できるのです。

これは、単に手間を省けるというだけではありません。裁判を行った場合にかかる時間や費用、労力なども軽減できるのです。裁判の途中で相手が破産する可能性なども考えると、債権保全の面で大きな効力があるといえるでしょう。

公正証書の効力②:安全性

3つ目の効力は、安全性です。公正証書の内容は疑われることがまずありません。原本は公証役場で保管されますが、その期間は20年です。その間、改ざんされる可能性がないということです。

また正本や謄本は配布されますが、もし紛失したときには再交付してもらうことができます。その点においても安心といえるでしょう。

直接的な効果ではありませんが公正証書があると当事者に対して履行の順守を促し、違反しにくくするという心理的な効果もあります。つまり違反などを最小限に抑えることができるのです。

離婚時の公正証書

公正証書は契約や遺言の際に使われるというイメージが強いかもしれません。しかし実は協議離婚をする際もよく使われているのです。では、どのような場合に使われるのでしょうか?

公正証書が使われるケース①:養育費の決定をする時

例えば離婚のときにまだ幼い子どもがいる場合、離婚してからも養育費などの支払いが必要になるでしょう。それも成人や大学卒業までとなるとかなり長い期間に及びます。

このような場合に、きちんと契約していないと途中で支払いが滞ることは珍しくありません。支払ってもらう側としては、しっかりと支払ってもらうことを望むでしょう。

公正証書が使われるケース②:財産分与・慰謝料を決める時

また離婚時には財産分与や慰謝料などの支払いもあります。その支払い条件を定める際も公正証書が利用されます。金額によっては一括払いできないこともあるからです。

特に財産分与の対象に将来の退職金も含める場合は、実際に支払われたときに受け取ることが多いでしょう。しかしそれはかなり先のことなので、不安もあると思います。

こういったときに、支払いを確実なものにするために公正証書を作成するのです。そうすれば強制執行が可能となるので、契約に反することがあった場合に家庭裁判所に申し出て、調停や信販の申し立てができるのです。

強制執行となると、給与を差し押さえることもできます。支払える能力があるのに支払わない場合は、強制的に取り立てることができるのです。なぜ、こういった予防策が必要かというと、協議離婚では家庭裁判所が関与しないからです。

家庭裁判所では、協議離婚について調書を作成しません。また養育費の支払いなどの取り決めについても契約書を作成しなくてはいけないという法律もないので、お互いの合意による口約束で終わることも少なくないのです。

それではもし一方が取り決めを破ったとしても、それを証明することは難しくなります。そのため、大切な取り決めに関しては執行証書としての効力も備えている公正証書での契約がよく使われるのです。

離婚前に公正証書を作成するのが一般的

協議離婚の際は、一般的に離婚届を提出する前に公正証書を作成します。離婚届を出してしまうと後は会う機会がかなり少なくなるため、契約すると約束していたのにも関わらず、うやむやにされてしまうこともあるからです。

ただし離婚が成立した後で作成するのに問題があるわけではありません。双方が合意すれば、後から作成することもあり得ます。ただし完成させるには2人そろって公証役場に行く必要があるので、その点には注意しましょう。

公正証書については色々と誤解をしている人も多いのですが、契約を守るという点において非常に役立つものです。必要に応じて公正証書を利用できるように、その仕組みなどを覚えておきましょう。

まとめ

離婚をする際は、お互いに様々な取り決めを交わすことになります。しかしその取り決めは確実に守られるとは言い難いので、確実に守ってもらえるような仕組みを必要とする人も少なくありません。その際に利用したいのが公正証書です。契約などわからないことがあればまずは専門家に相談してみましょう。

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監修役

ヒトワークス株式会社 山田力

山田力

前職は不動産相場サイト(マンションナビ)の運営に従事。相場価格を把握してもらい、売却の意思の強いエンドユーザーを、不動産会社へご紹介する一括査定サービスの利用拡大を行う。人生で最大の売買である不動産を信頼できる担当者に出会って、幸せな取引をしてもらいたいという思いから、担当者にフォーカスしたサービス【イイタン】を展開するヒトワークス株式会社を2017年に立ち上げる。

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