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離婚

2020.02.26

離婚時の財産分与で知っておくべき3つのこと【税金・ローン・家】

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離婚するときに避けては通れない、財産分与。しかし、財産分与のことがよくわからないという人は大勢いらっしゃると思います。

  • 財産分与にかかる税金
  • ローンや借金の分与方法
  • 家の分与方法

とくにこれらのことは、財産分与の中でも「わからない」「気になる」トップ3ともいえるのではないでしょうか?

本記事では、“そもそも財産分与とはなんなのか”ということと共に、“財産分与する上で知っておくべき3つのこと”について、わかりやすく解説していきます。

離婚時の財産分与とは夫婦の共有財産を分割すること

財産分与とは、夫婦が婚姻後に築いた共有財産を分割することをいいます。

財産分与は基本的に、次の3つの種類があります。

清算的財産分与

財産分与の基本となるのが、この“清算的財産分与”。「夫婦が婚姻後に築いた財産を、平等に清算する」といった考え方です。

もし妻が専業主婦だとしても、夫:1/2妻:1/2で分与するのが清算的財産分与の原則となっています。ただし、「1/2ずつ」というのは法律上で定められているわけではないので、分与の割合は夫婦で話し合って決めることができます。

扶養的財産分与

離婚によってどちらか一方の生活が困窮してしまうような状況下で、その一方を救済するような形で分与する方法が“扶養的財産分与”です。

たとえば、長年、専業主婦をしていた妻が高齢で再就職が難しいような場合、経済能力がある夫より妻の方に資産が多めに分与されます。あるいは、離婚後、一定期間、夫から妻に対して生活維持のための費用が支払われるケースも見られます。

慰謝料的財産分与

不倫などにより発生する「慰謝料」は、基本的に金銭によって清算されますが、金銭以外の住まいなどの他の資産で清算する場合を“慰謝料的財産分与”といいます。

離婚時の財産分与で知っておくべきこと1.税金

財産分与をする上で不安に思う方が多いのが、“税金”のこと。とくに、財産分与によって“贈与税”や“不動産取得税”がかかるか心配になるのではないでしょうか。

旦那名義の家の財産分与には税金がかかる?売却してしまうべき?

結論からいえば、贈与税も不動産取得税も財産分与によって得た資産に対しては原則的に課税されません。財産分与とは、夫婦で築いた財産を「分け合う」ことであり、「新規取得」とはみなされないからです。

ただし、不動産を分与された方には「登録免許税」が、資産を分与した方には「譲渡所得税」がかかる可能性があります。どんな時にかかるのか、また分与した方、された方どちらにかかる税金なのか確認していきましょう。

登録免許税

登録免許税は、不動産の名義変更に対して課税される税金です。

離婚によって家の名義を変えるときには、新たに名義人になる人が登録免許税を納税します。

譲渡所得税

離婚によって不動産や株券、ゴルフ会員権などの資産を分与した場合、分与した側に譲渡所得税が課税されることがあります。ただし譲渡所得税は必ず課税される税金ではなく、購入時より譲渡時の資産価値が向上している場合のみです。

たとえば、購入時2000万円の土地が、財産分与によって譲渡するときに3000万円の価値になっているような場合に課税されます。

算出方法等は、国税庁HPをご参照ください。

離婚時の財産分与で知っておくべきこと2.借金・ローンの分与方法

財産分与は、 “プラスの資産”を分けるのが基本的な考え方です。つまり、借金やローンなどの負債は財産分与の対象とはなりません。

ただし、夫婦が生活を送る上でできた借金やローンは、夫だけの負債とはみなされず、プラスの資産と相殺するなどして分与されるのが一般的です。

夫婦の生活や子どものための借金がある場合

たとえば、1000万円の預金があって、結婚後に夫婦のために借り入れた夫名義の400万円のローンがあったとすれば、預金と借金とを相殺して600万円を財産分与するのが一般的です。

一方、預金より借金の方が多い場合には、財産分与はされないことになります。たとえば、預金が400万円、夫婦のために借り入れた夫名義のローンが600万円の場合、「-200万円を2人でわけて-100万円ずつ負担する」とはならないということです。

この場合、妻に対する財産分与はゼロ。借金は夫が引き継ぐということになります。

ただしこれは財産分与の原則的な考え方であって、実際に離婚後の借金をどうするかについては、夫婦で協議して決めていくことになるでしょう。

住宅ローンやカーローンがある場合

一方、住宅ローンやカーローンの債務が残っている場合には、「ローン残債」と「資産の現在の価値」のどちらが高いかによって分与方法は異なります。

また、その資産を売却するのか、どちらか一方が引き継ぐかによっても変わってきますので、次項「家」の財産分与方法の項目で詳しく解説します。

離婚時の財産分与で知っておくべきこと3.家の分与方法

「家」のことは、離婚時の財産分与でもめる代表選手のようなものです。

婚姻後に購入した家なら、夫の単独名義だとしても財産分与の対象となります。

家の財産分与方法は、住宅ローンが残っているか、また「住宅ローン残債」と「家の価値」のどちらが高いかで大きく変わります。

住宅ローンがない場合

住宅ローン残債がない家は、比較的スムーズに財産分与できます。

家を残す場合には、持ち分割合を1/2ずつに、売却する場合には売却金を1/2ずつにするのが原則的な財産分与方法です。

どちらか一方が家の名義人となって住み続ける場合には、分与時の資産価値の1/2を清算金としてもう一方に支払います

たとえば、分与時2000万円の価値がある家に離婚後夫が住み続ける場合、夫から妻に1000万円を支払って財産分与とします。

アンダーローンの場合

一方、住宅ローン残債がある場合の財産分与は少々厄介です。

まず、住宅ローン残債と分与時の家の価値を比較して、家の価値の方が上である場合。このケースを、ローンが下回っているため“アンダーローン”といいます。

たとえば、住宅ローン残債が2000万円なのに対し、家の価値が3000万円あるようなケースですね。

アンダーローンの場合、以下の3つの財産分与方法があります。

家を売却する場合

家を売却する場合は、売却して住宅ローンを完済し、仲介手数料や売却にかかった諸費用を指しい引いて手元に残った費用を1/2ずつ分与するのが原則です。

どちらか一方が家を所有する場合

離婚後、家を売却せずどちらか一方が住み続けるような場合は、住宅ローン残債を差し引いた家の価値が財産分与の対象となります。

先ほどの例のように、住宅ローン残債:2000万円、家の価値:3000万円だとすれば、1000万円が財産分与の対象となるので、500万円を家の名義人にならない方に支払います。

オーバーローンの場合

オーバーローンは、ローンが家の資産価値をオーバーしていることをいいます。

たとえば、住宅ローン残債が3000万円あるのに、家の価値が2000万円しかないようなケースです。

オーバーローンの場合は、住宅ローン残債がある中でもさらに財産分与がややこしくなります。

家を売却する場合

オーバーローンの場合は、家を売却したお金ではローンを完済できません。そのため、家を売るには、売却金以外に自己資金を充当しなければなりません。

もし充当する自己資金が不足している状況でも家を売却したいときには、「任意売却」という方法を取る必要があります。

離婚時にオーバーローンの家を売るための「任意売却」という方法

ただし、任意売却によって家を売却したとしても、売却後には債務が残ります。

例によって「マイナスの資産」は財産分与の対象外という原則に則ると、離婚後、残債は所有者が負担することになります。ただ実際には、その他の資産と相殺したり、夫婦で負担割合を相談したりすることになるでしょう。

どちらか一方が家を所有する場合

オーバーローンの家にどちらか一方が住み続ける場合、資産価値としてはマイナスなので財産分与の対象にはなりません。

ただし預貯金などプラスの資産があれば相殺し、相対的にプラスとなれば、家をもらう方が多くのプラスの資産を分与されるのが原則です。

アンダーローンでもオーバーローンでも住宅ローンの名義変更は難しい

現状、住宅ローン名義が夫で、家を所有するのが妻のような場合、家の名義は比較的簡単に変更できますが、住宅ローン名義の変更は簡単ではありません。

住宅ローン名義を変更するためには、新たな名義人がローンの審査を受けます。妻が非正規雇用だったり、収入が低かったりすれば、審査に通ることは難しいでしょう。

そのため、たとえば夫名義の住宅ローンが残る家に妻子が住み続ける場合には、名義を変更せず、養育費や慰謝料として夫に引き続き住宅ローンを負担してもらうケースが一般的です。

慰謝料や養育費として?離婚時に夫から家をもらうための方法

ただし、離婚後、名義人以外の人が住む際には、以下のようなデメリットがあることも認識しておきましょう。

  • 住宅ローン返済が滞ったら強制競売となる
  • 児童扶養手当(母子手当)がもらえなくなる可能性も

離婚後夫名義の家に住むときのリスク!母子手当がもらえない?

まとめ

離婚の話し合いが進まない原因の多くは、財産分与にあります。そしてその財産分与の中でももめるのが、家や借り入れのこと。『住宅ローンが残っている家』というのは、資産であり、借り入れでもあるからこそ分与が難しいのです。

そもそも、“家の価値”の評価方法は1つではありません。夫婦で合意する評価方法を見つけなければ、家の価値とともにアンダーローンなのかオーバーローンなのかも判断できません。

離婚問題の解決には弁護士などの手を借りるべきケースもありますが、不動産をご所有の方はぜひ不動産のプロにご相談ください。

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監修役

不動産ライター 亀梨奈美

亀梨奈美

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに不動産記事を多数執筆。

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