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離婚

離婚後夫名義の家に住むときのリスク!母子手当がもらえない?

2019.09.19

夫名義の家に家族で住んでいて、離婚後、妻と子供がその家に住み続ける。

離婚する夫婦にお子さんがいる場合、学校の都合や心理面から「引っ越しさせるのはかわいそう」と判断し、このような選択を取ることがよく見られます。

しかし、妻が離婚後夫名義の家に住むときには、次のようなリスクがあります。

  • 母子手当がもらえなくなる可能性が
  • 夫の住宅ローン返済が滞る

本記事では、この2つのリスクと回避方法を詳しく解説します。

離婚後夫名義の家に住むと「母子手当」がもらえない?!

養育費代わりとして、夫名義の家に妻と子が住み続けることはよくあるケースです。

しかしその場合、「児童扶養手当(母子手当)」がもらえなくなるリスクがあります。

児童扶養手当(母子手当)とは?

児童扶養手当とは、父母の離婚などで、父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭(ひとり親)の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉の増進を図ることを目的として支給される手当です。

(国制度) (引用:東京都福祉保健局

児童扶養手当とは、夫婦が離婚し、片親と子供と生活するようになった場合に片親に対して支給される手当です。母子に対して支給されることが多いので、「母子手当」といわれることもあります。

児童扶養手当は国による制度ですが、支給額や所得制限、審査基準については各自治体によって異なります。

東京都では2019年4月現在、児童1人の場合の最大支給額は月額42,910円。ただし、支給には所得制限が設けられており、一定の所得を超える場合には支給額が減額になるか、支給されません。

そして「所得」には、養育費の8割相当額が加算されることになっています。例えば養育費として夫から月10万円もらっている場合には、8万円分が所得としてみなされるということです。

夫名義の家に住んでいると所得制限を上回ってしまうことも

児童扶養手当の所得制限は、上記のようになっています。

ただし上記は、「収入」ではありません。

例えば葛飾区では、対象とする所得の計算方法を次のように定めています。

対象とする所得=収入-給与所得控除-8万円-各種控除(主に住民税で控除された額)+養育費(8割相当額)

ここでまず問題になるのが、「収入」には同居家族の収入も含まれるということ。例えば夫の住民票が変わっていないような場合には夫とまだ同居しているとみなされ、児童扶養手当の申請が通らない恐れがあるので注意が必要です。

中には表向きだけ離婚して、不正に児童扶養手当を受給しようと考える人がいるので、居住者の状況は厳しくチェックされると認識しておきましょう。

また夫名義の家に住んでいる場合、「夫から住まいにかかる費用を援助してもらっている」とみなされることがあります。

その場合、家賃相当額やその家賃の8割相当額が「収入」に含まれてしまいます。

例えば月々8万円の援助とみなされれば、年間96万円となりますから、児童扶養手当の所得制限を超えてしまう可能性が高くなってしまうんですね。

とはいえ、「夫名義の家に住んでいる」ことが援助とみなされるかは各自治体次第なので、まずはお住まいの役所に相談してみましょう。

夫の住宅ローン返済が滞るリスク

夫名義の家に住むときのもう一つのリスクは、何らかの理由で夫がローン返済を滞らせてしまうことです。

夫が出ていくとなれば、夫は自分が住む家と生活のための出費が新たに加わることになります。

離婚によって収入が増えることはないでしょうから、夫の負担は増すばかり。意図せず返済できなくなるケースもあるでしょう。

また夫が新たな家庭を築くとすれば、「なぜ前妻を援助しなければならないんだ」と意図的にローン返済を辞めてしまう可能性も否定できません。

夫の住宅ローン返済が滞るとなると、金融機関は抵当権を行使し、住まいは差し押さえられ強制的に競売にかけられてしまいます。

妻子は強制退去を余儀なくされ、住むところを失い、路頭に迷ってしまうリスクがあるのです。

妻が連帯保証人になっている場合

住宅ローン審査で夫婦の収入を合算した場合、住宅ローン名義は夫で連帯保証人が妻というのがよくあるケースです。

住宅ローンの連帯保証人は、債務者の返済が滞った際、代わりに返済の義務を負わなければなりません。

夫のローン返済が滞れば、金融機関から妻に督促が来ることになります。

離婚後夫名義の家に住むときのリスク回避方法

  • 児童扶養手当が支給されない
  • 夫の住宅ローン返済が滞る

離婚後夫名義の家に住むときには、この2つのリスクがあることを認識しなければなりません。

ただこれらのリスクは、ここから解説する2つの方法を取ることで回避することが可能です。

1.名義を妻に名義を移す

「離婚後夫名義の家に住む」ことがリスクとなるなら、「夫名義」を「自分(妻)名義」にすればリスクはなくなります

自分名義の家なら、夫から資金を援助しているとみなされることもなければ、夫の住宅ローン返済が滞る心配も不要です。

家の「名義」には、2つの名義があります。1つは不動産の名義、もう1つは住宅ローンの名義です。

実は不動産自体の名義を変更するのには、大した手間はありません。

問題なのは、住宅ローン名義。住宅ローンの名義を変えるとなると支払い義務が移行することになりますから、妻に返済できるだけの経済力が求められます。

2.家を売却する

2つ目のリスク回避方法は、そもそも離婚時に家を売ってしまうということ。

「離婚後夫名義の家に住む」ことがリスクとなるなら、家ごとなくしてしまえばいいということですね。

夫婦が婚姻後に築いた財産は、財産分与の対象です。

家の名義が夫単独だったとしても、売却して手元に残るお金があれば、基本的に夫婦で1/2ずつ分け合うことができます。

売却して一括で金銭を得るのと、住まいを継続的に提供してもらうという状況。児童手当を支給してもらえる可能性も、絶対的に前者の方が高くなります。

住宅ローン残債を上回る金額で家が売れない場合には、「任意売却」という方法で売却が可能です。

任意売却では売却後も債務が残る可能性がありますが、住宅ローンの名義人は月々数千円~数万円の負担で無理なく返済していくことが可能。家を出ていく夫にとっても、決して悪くない条件だといえるでしょう。

まとめ

離婚後夫名義の家に住むことで、引っ越さなくていいという点は確かにメリットだといえるでしょう。

しかし住まいを元夫に依存しなければならない状況では、離婚によって新しいスタートが切れるとは言えません。

母親だけの収入や養育費だけでは心もとないと思うこともあるでしょうが、児童扶養手当を満額受給できれば大きな助けとなります。

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監修役

不動産ライター 亀梨奈美

亀梨奈美

大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。
業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに不動産記事を多数執筆。

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